FXのスプレッドとは?FXの取引手数料について詳しく解説!

FX会社を選ぶ際のポイントはいくつかありますが、投資家にとってのコストである「スプレッド」の狭さは重要なポイントです。

スプレッドの仕組みや計算方法、変動するタイミングなどについても解説します!

FXのスプレッドとは?仕組みと計算方法を解説


スプレッドとは、為替レートの「売値と買値の差」のことです。

FXの為替レートは売りと買いで差があります。例えば米ドル円の売値が109円51.5銭、買値が105円51.9銭の時、その差は0.4銭になります。

このスプレッドの間隔が狭いほど投資家が負担するコストが安くなり、開きが大きいほどコストが高くなることを意味しています。

スプレッドと手数料の違いって?

FXでは多くの会社で取引手数料を無料にしています。しかし、この場合の「手数料」というのはスプレッドのことではありません。スプレッドはコストとしては原則かかるものであり、取引のたびに必要になる実質的な手数料ということになります。

スプレッドはそのままFX会社の利益になるわけではないため厳密には手数料ではありませんが、投資家にとっては取引にかかわるコストであることは変わりません。
実質的に手数料とみても良いでしょう。

スプレッドの計算方法

  1. スプレッドの単位がpipsの場合、銭になおします。※1pips=1銭です。
  2. 銭を円に換算します。※1銭=0.01円です。
  3. 計算式に当てはめてコストを割り出します。

取引通貨数×スプレッド=かかるコスト

計算例1:通貨ペアが米ドル/円・スプレッドが0.3銭・取引通貨が1万通貨の場合

0.3銭=0.003円

1万通貨×0.003円=30円(かかるコスト)

計算例2:通貨ペアがユーロ/米ドル・スプレッドが1.2pips・取引通貨が1万通貨の場合

pipsを銭に・銭を円に換算し、計算式に当てはめます。

1.2pips=1.2銭=0.012円

1万通貨×0.012円=120円(かかるコスト)

こうしてみると、非常に低いコストで取引できそうだと思いがちですが、例えば1日に何回も取引をするスキャルピングやデイトレードの場合、取引をするたびにスプレッド分のコストがかかります。

FX会社によってスプレッドに0.1銭の差がある場合、1万通貨を1000回取引すれば、実質的な取引コストの差は1万円になります。

銭とpipsの単位の違いは?

通貨ペアによっては、スプレッドが銭ではなく「pips」という表記になっている場合があります。

pipsとは、通貨ペアごとに定められている単位のことで、1銭=1pipsと読み替えれば問題ありません。

では、なぜpipsが存在するのでしょうか?
それは、バラバラである各国の通貨の共通単位として使用するためです。

ドル/円やユーロ/円などは「クロス円」と呼ばれており、円未満の単位はになります。

一方で、ユーロ/米ドル、などクロス円以外の通貨ペアに関してはpipsが採用されています。

原則固定のスプレッドと変動スプレッドの違いは?

ひとくちにスプレッドといっても、大きく分けて「原則固定」と「変動制」があります。

それぞれメリット・デメリットがあるため、FX会社を決める前に両者の違いを知っておきましょう万

原則固定

FX会社スプレッドの表記をみていくと、スプレッドが「原則固定」と書かれていることがあります。

本来のスプレッドは市場の状況によって、広くなったり狭くなったり変動するのが一般的です。

しかし、取引する利用者からみれば、いつでも同じスプレッドで取引できるほうが分かりやすいでしょう。
常にスプレッドが動いていると、取引のタイミングを見極めるのが大変ですし、コスト管理も面倒です。

そこでFX会社によっては、市場の状況に関係なくスプレッドを一定にしていることがあります。
これが「原則固定」です。

相場が乱高下するときを除き、基本的には変動制よりも原則固定の方が狭いスプレッドで取引しやすいとされています。

変動制

原則固定の反対は「変動制」で、文字通り市場の状況に合わせてスプレッドが提示されます。

値動きが落ち着いているときのスプレッドは広くなり、値動きが激しくなると狭くなるのが特徴です。
取引参加者が少なくなるとスプレッドは広がるので、早朝のスプレッドは広くなりやすいです。

スプレッドだけでなく約定力もチェックしよう

約定力とは、注文が確定するスピード・正確さ(発注したレートと約定したレートが限りなく近いこと)のことです。
これが強いほど良いといえる指標といえます。

FXは株式と同様、取引相手がいないと成立しません。
自分が買いたい場合は、売ってくれる人がいないと購入することはできないのです。

注文しようとして取引相手が少なくてななか約定できなかったり、注文そのものが拒否されたりするケースもあります。
あるいは注文したレートと約定したレートが違う「スリッページ」が発生することもあります。

価格の急騰や急落など、注文が売り・買いの片方に集中する場面では発生しやすくなります。

そのため、FX会社を選ぶ際は「約定力が高いFX会社」を選ぶことが大切です。

FX業者によってはトレーダーが発注した時点の価格で約定する業者や、強固なサーバーを備えている業者もあるため、スプレッドの差がないときはこうした「約定力」の評判も比べてみましょう。

FXでスプレッドが変動するタイミングは?

スプレッドは常に一定ではなく、トレードの状況次第では変動することがあります。
変動制はもちろんのこと、原則固定になっている会社であっても、あまりに変動が激しい場合はスプレッドに影響します。

ここでは「どんな時にスプレッドが広がりやすいのか」について解説します。

早朝などで取引する人が少ない時

日本時間の「4時~8時」は日本の通勤時間とNY市場が閉まる時間が重なるため、取引量は少なくなり、スプレッドは広がりやすくなります。
週の始まりである月曜日も取引参加者が少ない傾向にあります。

取引に参加する人が少ないほどスプレッドは広がるため、コストにこだわるならこの時間帯の取引は避けることも検討しましょう。

レートが急激に変化する時

注目度の高い指標が発表される直前、波乱を警戒して取引を控える人が多いため取引量が減少します。

逆に、米国の雇用統計など世界的に影響が強い指標が発表されたり、アメリカ大統領選挙の結果など世界的なニュースが駆け巡ったりした際はレートが急激に変化します。
一時的に取引相手が見つからないこともあるかもしれません。

こうなると流動性が失われることで、スプレッドは変動し、広がりやすい傾向にあります。

スプレッドでFX会社を選ぶためのポイント

スプレッドは原則固定がおすすめ

スプレッドは「原則固定」「変動制」の2つがありますが、できるなら「原則固定」の業者を選びましょう。

変動制と比較してコストを抑えられることが多いだけでなく、コスト管理もしやすくスムーズな取引につながります。

ドル/円なら0.2銭のスプレッドが目安

初心者がFXを始める時、選ぶべき通貨ペアはやはり米ドル円が鉄板です。

ドル円は日本人としてはもっともメジャーで取引参加者が多い通貨ペアです。
どのFX会社でもスプレッドは狭くなる傾向にありますが、一般的に0.2銭以下のスプレッドであればコストを抑えた取引が可能です。

そのほか「豪ドル円」「ユーロ円」など、スプレッドを比較してできるだけスプレッドが狭い会社を選ぶことが大切になります。

FX会社のスプレッド縮小キャンペーンもチェック!

FX会社によっては、期間限定でスプレッド幅を縮小するキャンペーンを行っている場合があります。期間中は指定の通貨で通常よりも狭いスプレッドで取引を行うことができるため、取引コストを抑えることが可能です。

FX会社によっては、定期的にキャンペーンが行われる場合もあります。口座開設の際は、自分が取引したい通貨ペアのキャンペーンが行われているか、頻度はどのくらいかをチェックしておきましょう。

FX会社を選ぶ時はスプレッドに注目!

今回はスプレッドが狭いFX会社を10社比較して紹介しました。入金・出金手数料などが一切無料のFX会社も多い中で、スプレッドの狭さは重要な要素です。

スプレッドが狭いほど長期的にみてかかるコストが少なくなるため、狙っている通貨ペアのスプレッドができるだけ狭いFX会社を選びましょう。もし「原則固定」と「変動制」で迷ったときは、基本的には原則固定を選ぶのがおすすめ。