FX初心者によくある失敗例と失敗を回避する方法を解説

インターネットなどを通じ、世界中で24時間取引が行われているFXですが、ハイリスク・ハイリターンの投資とも言われています。特に知識や経験の浅い初心者は失敗することが多く、損失リスクを回避するコツを掴むことができない人も多いようです。

この記事では、初心者が陥りやすいFXの失敗の代表例や失敗対策について分かりやすく解説します。これからFXを始めようと思っている人や、既に取引をしているけれどもなかなか利益を得られないという人は、是非参考にしてください。

FXでいう失敗とは?借金はする?


FXで言う失敗とは主にロスカットにより証拠金を失ってしまうことを指します。

FXは、少ない資金で大きな利益を狙える投資です。手元の資金が潤沢でなくても、取引総代金の4%の資金があれば取引を始められます。つまり、10万円の取引の場合なら、4,000円あれば取引ができます。

必要証拠金が規定の数値を下回れば、ロスカットと呼ばれる強制的な決済が実行され損失が確定します。

ロスカットの目的は損失を最小限に抑えることなので、ロスカットされたからといって資金が大幅にマイナスになることはありません。しかし、ロスカットを逃れるために証拠金を追加し続けた挙句に借金するというケースはあります。

失敗しないためにはトータルでプラスを目指す

FXで失敗しないためには、勝率100%を狙わないことが大切です。損失を恐れて利益ばかりを追求すると、それだけ損失が出るリスクも高くなります。為替は常に変動しているため、正確な数値を予測するのは不可能で、損失は必ず生じてしまうものです。

損失ゼロを目指すのではなく、ある程度の損失を見込んだ上で3回中2回の取引で利益を狙う方が効率的に取引ができるでしょう。どうすれば損失を最小限に抑えられるのか意識することが、失敗しないポイントです。

また、負けの数が多くても、結果的に利益がトータルでプラスになっていれば取引は成功です。これまでの失敗例を振り返ることで、損失を抑えるコツも掴むことができるでしょう。

FXでよくある失敗例を紹介

FX初心者は損失を恐れがちです。しかしFXは、リスクなしに利益を得ることはできません。よってリスクとどう向き合い、どうコントロールするかが利益を生む鍵となります。ここからは、FX初心者が陥りがちな失敗例を原因とともに解説します。失敗例を知ることで、取引を成功に導くことができるでしょう。

損切りできない

損切りとは、損失を抱えている状態で決済することです。目的は、これ以上損失が大きくならないよう先手を打ち、損失を最小限に抑えることです。

初心者ほど、一時的でも損失を出すのが嫌で損切りができません。諦めがつかず取引を続けると、取り返せないほど損失が膨らんでしまいます。

FXで利益を得るには、損小利大の考えが必須です。損小利大とは、損失を最小限に抑えることで、利益を最大限に得ることです。初心者は損切ができない場合に備え、取引を始める前に必ず損切りルールを定めておきましょう。

損切りルールとは例えば、以下のような決め事です。

どうしても損切りできない場合は、逆指値注文(ストップ注文)を活用しましょう。逆指値注文とは、あらかじめ設定しておいた価格になったら自動的に決済される注文のことです。逆指値注文をすることで、為替の相場が下がっていても諦めずに上がるのを待つという、ギャンブルのようなやり方を回避することができます。

ポジションを常に持った状態でいる

FXで言うポジションとは、通貨を購入し、保有している状態のことを言います。このうち、通貨を買っている状態を買いポジション(買いポジ)、売っている状態のことを売りポジション(売りポジ)と言います。

常に変動している為替に伴い、チャンスを逃さないよう常にポジションを持とうとする状態をポジポジ病と言います。ポジポジ病は、利益を得ることではなく取引をすることが目的になっている状態です。不要な取引が増えてしまうので、損失のリスクも高くなります。

FXではポジションを常に持つのではなく、何もしないことも大切です。待つのも投資だということを覚えておきましょう。

その場しのぎのナンピン(難平)や両建てを行う

ナンピンとは、手持ちのポジションの為替相場がマイナスになっても損切りをせず、新たにポジションを保有し購入時の為替相場の平均値を下げることで損失を防ぐ手法です。為替相場が良い方向へ動けば、一度に大きな利益を得ることができますが、取引に失敗すれば大きな損失を出すリスクが高い手法です。FXの玄人でも難しいと言われているので、初心者にはおすすめできません。

両建てとは簡単に言うと、同じ通貨ペアの買いポジションと売りポジションを同時に保有することです。両建てを行うことで、為替相場の変動のリスクを抑え、損失の拡大を防ぐことができます。しかし、スワップポイントが相殺されたりロスカットされたりする確率も高くなるので、両建ても初心者にはおすすめできません。

ハイレバで一気に資金を溶かす

レバレッジとは、預けた資金以上の金額を取引できる仕組みです。FXが少ない資金で大きな利益を得られるのは、このレバレッジがあるからです。日本では、証拠金に対し25倍までのレバレッジをかけることができます。

例えばレバレッジなしで10万円の取引をして、2万円の利益がでたとします。このときレバレッジを25倍かけていたら、50万の利益を出せる計算になります。レバレッジは、高くかけるほど大きな利益を狙うことができますが、その分リスクも高くなります。必要以上にレバレッジをかけると証拠金維持率が下がりロスカットされてしまうので、注意が必要です。

スワップポイント狙いで為替差損を出す

新興国通貨の多くはスワップポイントが高い傾向にあるので、新興国通貨を売買すれば大きな金利差が生じ、利益も大きくなります。しかしスワップポイントが高いということは、それだけリスクも高くなります。いくらスワップポイントが入っても、為替相場が悪い方へ動くと為替差損が大きくなり、スワップポイントの利益以上の損失を出すことになるからです。スワップポイント目当ての取引は、初心者にはおすすめできません。

スワップポイントで損失を出さないためには、レバレッジを低く設定する、積立・長期・分散をすることが大切です。

高金利通貨であるトルコリラやメキシコペソは下落リスクが高いので、米ドルなど安定している通貨に分散するとよいでしょう。

失敗を防ぐ8つのコツを解説

FXの失敗を防ぐために、初心者が取り組める有効な方法を8つ紹介します。日頃から心がけたい考え方や姿勢などもあり、それまでの意識を少し変えるだけでも失敗を防ぐことができます。小さな積み重ねが大きな成果となるので、コツコツと取り組み自分のものにしていきましょう。

ルールを決める

取引のルールを決めることは、もっとも大事なポイントです。ルールを決めずに取引すると、運や勘で取引することにもなり、思わぬ損失を生むことにもなります。FXで成功する人の多くは、自分のルールを守って取引しています。取引時間・取引通貨・レバレッジ・通貨単位などを制限を設け、練習をしながら自分のルールを決めていきましょう。

勉強を続ける

勝っているトレーダーほど勉強を続けています。FXは歴代色々な人が研究を続けてきたため、さまざまな手法があります。投資の理論も日々アップデートされるので、常にサイトや本などから最新情報や手法を仕入れることを心がけましょう。日々の勉強は、自分のトレードスタイルを確立させるのにも役立ちます。

新しいツールも次々と出るので、デモトレードを卒業しても常に学び続けることが大切です。自分の腕に自信がない人やなかなか利益を得ることができない人は、デモトレードで経験を積み重ねるのも良いでしょう。

情報収集を怠らない

FXにおいて日々の情報収集は非常に大切です。

FXの取引手法はトレーダーの数だけあると言われていますが、大きくテクニカル派とファンダメンタル派に分かれています。

テクニカル派は、テクニカル分析により、過去の為替相場の値動きから、未来の為替相場の変化を予想・分析します。一方、ファンダメンタル派は、経済状況や各国通貨の相場を元に現在の為替相場を分析し、未来の為替相場を予想します。

ファンダメンタルでは、日々の経済ニュースだけでなく世界情勢なども考慮する必要があります。ファンダメンタルで取引を行う際は、SNSや証券会社のニュースレターなどを活用し、最新情報の収集に努めましょう。テクニカル派であっても、最低限の情報収集は必要です。

通貨ペアを絞る

はじめのうちは取引する通貨ペアをメジャーなものに絞りましょう。同時にいくつもの通貨ペアの取引を行うと、十分な情報収集やポジションの管理ができなくなります。流通量や情報量が少ないマイナーな通貨ペアは、急激な変動が起こる可能性も高くなります。

初心者におすすめな通貨ペアは、取引量が多く、適度なボラティリティ(為替相場の変動性)があり、スプレッドが狭い通貨ペアです。最初は1つか2つの通貨ペアで経験を積んでいくと良いでしょう。

資金管理を徹底する

資金管理ができなければどんな投資も続けられません。投資は、余裕資金で行うのが鉄則です。少ない資金で大きな利益を得られるFXとはいえ、失敗すると大きな借金を背負うことにもなり得ます。自分の資金はいくらあり、そのうちどのくらいをFXに使うのか決めてから取引を始めましょう。

投資以外の収入源を確保しておくことも非常に重要なポイントです。投資以外の収入源がない状態で取引に失敗し一文無しになってしまっては、その後の生活が危ぶまれます。ある程度のマイナスも許容した上で、余裕のある資金を用意し、少額からスタートしましょう。

取引時間を決める

株と異なり24時間マーケットがオープンしているFXでは、取引時間を決めることが大切です。世界各国の市場がオープンすると、為替相場の値動きが活発になります。為替相場が動く時間帯は利益を獲得するチャンスでもありますが、損失が生じる可能性も高くなるときです。為替相場がよく動く時間帯を知っておくことが大切です。

ポジポジ病を抑えるために、チャートを見ない時間を作ることも必要です。どうしても取引したければ、デモで練習すると良いでしょう。

小ロットで始める

ビギナーは小さなロットから始めましょう。ロットとは、FXの取引通貨量の単位です。FX各社により1ロットあたりの通貨量は異なりますが、多くの場合は1ロット=10,000通貨(円やドル)としています。最近では、100通貨や1,000通貨から取引できる会社も増えており、1ロット=1,000通貨としている会社もあります。

初心者はまず1ロット=1,000通貨から取引すると良いでしょう。少額で始められるFX会社は次の記事で詳しく説明しています。

自分のトレードを振り返る

FXの取引に成功している人は、常に自分の取引を振り返り、改善を図っています。なぜここで決済したのか、ルールを守れたのかなど、ひとつひとつの取引を振り返り、失敗の原因を探り反省することで、次の取引に生かすことができます。

振り返る時は、その時の自分の心理状況も分析しましょう。特に初心者は為替の値動きによって感情が揺れ動き、冷静な判断ができなくなるときがあります。そのときなぜ自分はあのような心理だったのか分析することで、感情をコントロールすることにもつながるでしょう。